OCULAR INFLAMMATORY DISEASE
眼炎症疾患
眼炎症疾患とは、炎症が原因で様々な問題が生じる病態のことです。
当クリニックでできること
眼炎症疾患とは、炎症が原因で様々な問題が生じる病態のことです。広い意味で言えば、すべての病気に炎症が関与しますが、ここでいう炎症疾患とは主に「ぶどう膜炎」「強膜炎」という疾患群になります。
ぶどう膜炎や強膜炎という領域は眼科領域の中ではどちらかというとマイナー領域となります。緑内障、網膜疾患、角膜疾患、白内障などといったメインの疾患からすると傍流になってしまうことは否めません。
この疾患は、まずは診断をつけるというところから難しいことが多く、なんとなく治療をしているけど、徐々に悪くなってしまうといったことが多いのです。
ぶどう膜炎や強膜炎といった疾患を専門にしている眼科専門医は多くはありません。慢性疾患であるがゆえに、経過も長く、治療も長期にわたります。
うまくお付き合いしていかなければならない疾患なのです。
大学病院の専門外来で多くの患者さんを診ていると、急性期にはいろいろな検査が必要なことが多いですが、安定期の場合は比較的症状の変化も少なく、必ずしも大学病院の通院が必要でないことも多いです。
大学病院での診察にはどうしても時間がかかったり、曜日や時間などの制約も多く、ぶどう膜炎患者にとって非常に犠牲となるものが多いと感じます。
安定期には、地元のかかりつけ医で診てもらいながら、必要な時には高度な医療施設へといった流れがしっかりと構築できれば、それは患者さんのメリットになります。
当院では、そういった位置づけで患者さんに利用してもらえるクリニックを目指していきたいと思います。
眼炎症疾患とは
これらの病気は炎症が根幹となっておりますので、炎症をいかにコントロールするかということが治療の主体となります。
原因として感染性と非感染性に分類できますが、非感染性の方が多くなります。原因がわからないものも多いですが、内科的な問題と関連しているものも多く、病気が発症した時には、全身的な検査が必要になります。
急性期に強い炎症を生じる病態もありますが、慢性的な経過でじわりと炎症により、組織にダメージを与えてくる病態もあります。
炎症が放置されることは、看過できることではないので、しっかりとした治療をやっていく必要があります。
どんな症状
眼内に炎症を生じてくると多くの場合は、充血を伴います。
白目がピンク色になるものから強い充血ですと赤く見えるものもあります。違和感、時に痛みといった強い症状が自覚されることもあります。強膜炎の場合には、痛みを自覚する場合が多いです。
目が赤くて、痛みを自覚する時はただの結膜炎ではなくて強膜炎だったということがありますので、痛みを感じるときは早めの受診を心がけましょう。
さて、ほかには見え方でいうと、眼の中に炎症を起こすことで、霧視、明るいところで眩しさが強く感じたり、視力低下を起こします。目の奥に混濁が生じて、飛蚊症(黒い影)が出たり、視界全体がぼやけたりします。
どんな検査をするのか
視力検査や眼圧検査、さらに隅角検査や眼底検査を行います。網膜断層像を評価するためにOCT検査をすることもあります。炎症の主座がどこにあるのかを確認します。
クリニックだけで治療できるものか、全身検査を行ったり特殊な検査が必要な場合は大学病院などを受診していただきます。
院長は、日大板橋病院でぶどう膜炎山門外来を担当しておりますので、大学病院へ紹介して、検査を受けていただくこともあります。
治療について
感染性の場合は、消炎だけでなく病原体に対する治療をしなければなりません。
非感染性の場合は治療のメインはステロイド治療となります。消炎を目的に使用していきますが、投与方法には点眼だけでなく、内服あるいは局所注射といった方法で病状にあった治療をしていきます。
ステロイド治療のみで治癒が難しく、ほかの免疫抑制剤を併用することもありますが、その場合は大学病院などの専門外来での対応が必要となります。
ぶどう膜炎や強膜炎は、経過が長くなり慢性化しやすい特徴があります。治療として使用するステロイドの服用期間も長くなります。
ステロイドには合併症があります。白内障やステロイド緑内障など視機能に影響する合併症であり、治療を継続しながらそういった合併症が出てこないかを管理していくことがとても重要になります。